千歳月諸々。

昨日千秋楽を向かえた千歳月
この舞台はScene of Heavenのデビュー曲(同名のタイトル)を元に書き下ろされたストーリーで、1000年前に一族内の争いに巻き込まれ引き裂かれた2人が、生まれ変わった現世で再び出会い…数々の苦難を乗り越え結ばれるというもので。

過去の夢というか回想のシーンはあっても基本的な時代設定は現代なので、『リボンの騎士』や『白蛇伝』に比べたらすんなり入ってきたかなって感じがする。
でも1回観ただけでは分からない、2回目以降で初めて『あぁ!』って思えるストーリーの繋がりだったり演者の細かい表情だったり。
小さい舞台なだけに演者の数も先に言った2つに比べて少ない分、その一人一人をよく観られるし感情も入れ易い。
それと敢えてなのか…衣裳を変えるべき所を変えずにそのままの衣裳で演じている事で観る側の想像力を掻き立てている。実際に衣裳が2種類以上あるのは、交通事故が切っ掛けで実世界で意識のない緒方のイメージした世界の中に生きる緒方明彦(貞広高志さん)と真央(かのんちゃん)だけだからね*1
先に述べたように、緒方の作り出したイメージの中の自分の部屋でのシーンが約半分に渡って展開される為、現実には起こり得ない事なので…かなり不思議な感覚に襲われると同時に引き込まれていく感じを覚えていたのを憶えている。ひょんな切っ掛けで俺もそうなる可能性があるんじゃないかってね。
それだけ引き込まれた『千歳月』の世界、笑いもそこここにありつつ感動させる所はさせる*2。俺が3回観た中で涙を流した場面は、絶望の瞬間・友との再会・千年の時を越えた約束を果たし再び出会うシーンで。千秋楽の時はその距離にただ圧倒されてただけだけなんだけどA^_^;)


この良質な舞台、皆にも観て欲しいからDVDを買おうと思いまつ。

*1:具体的には緒方がスーツ・黒のシャツとボトムス・パジャマ、真央は制服・黒のキュロット

*2:敢えて言うならクライマックスのシーンに笑いを混ぜるのは如何なものかと思ったけどね。