試合戦評。

8月29日 ソフトバンク戦 ヤフードーム
西|003 000 000 010 4
ソ|002 100 000 010 4
西|H:10 E:1
ソ|H:10 E:1

ヤフードームに乗り込んでの2位ホークスとの3連戦。
初戦の先発は日本代表からの復帰後初登板となる涌井。対するホークスも同じく日本代表の杉内が先発。

涌井は初回、1死から森本、松中の連打で1,3塁とされながらも小久保、松田を打ち取りピンチを切り抜けると、2回は3者凡退に抑え、まずまずの立ち上がりをみせる。

涌井に先制点をプレゼントしたい打線は3回、左前安打で出塁の細川が、高谷の捕逸で進塁し、無死2塁とすると、2死後に栗山が高めのストレートをセンターに弾き返すフェンス直撃の適時二塁打を放ち、1点を先制。
さらに中島が四球を選びチャンスを広げると、4番・ブラゼルが真ん中に入ったスライダーを見逃さず、ライトへ2点適時二塁打。この回一挙3点を奪う。

しかし涌井がこのリードを守りきれなかった。
その裏、セカンド・片岡の失策で出塁の本多を1塁に置き、松中の自身通算300号となる23号2ランで1点差とされると、4回には1死2,3塁で森本にレフト前へ運ばれ、たちまち同点とされる。

その後は、5回を終えて杉内が89球、涌井が99球という球数が表す通り、前半は苦しみながらも後半は立ち直った両投手の力投の前に両軍得点を奪えず、緊迫した展開で進む。

結局、涌井は8回146球を投げ、被安打7、奪三振6、失点3、自責点1で同点のまま降板。5回以降は安定した投球で勝ち越しを許さず、日本代表投手としての意地を見せた。

同点で迎えた9回裏は2番手・小野寺が昨日と見違える投球でピシャリと抑え、首位攻防第1ラウンドは、ホークス戦今季3度目となる延長戦に突入する。

3対3で迎えた延長11回、この回から登板の4番手・柳瀬に対し、1死から細川がレフトスタンド上段へ14号ソロ本塁打を叩き込んでライオンズが勝ち越し!
これで死闘に終止符が打たれたかと思われたが、その裏、10回から登板の守護神・グラマンが1死から代打・吉川にプロ初本塁打となるソロアーチを運ばれ、土壇場でまさかの同点。試合を振り出しに戻されてしまう。

12回はホークスの守護神・馬原の前に2三振を喫するなど3者凡退に倒れこの時点で勝利は無くなるも、その裏は谷中、星野、大沼と投手3人をつぎ込む執念の継投で敗戦も阻止。

今季2番目の長さとなる5時間3分に及んだ首位攻防第1ラウンドは、両チーム合わせて13人の投手をつぎ込む死闘の末の引き分け。
この結果、ライオンズの優勝マジックは1減り、21となった。