試合戦評。

9月23日 楽天西武ドーム
楽|102 000 025 |10
西|010 000 150 |7

楽|H:10 E:3
西|H:10 E:1

ライオンズ先発はルーキーの平野。初回内村にピッチャー前へのセーフティ内野安打を許すと、続く3番・フェルナンデスに右中間への適時二塁打を浴び先制点を許してしまう。

2回表は山崎武がレフト越え二塁打を浴びるも、アウト3つを三振で仕留める快投で、優勝のかかった大一番の先発に応えた。

その裏、ライオンズは本塁打王・中村がレフト越えの第44号ソロ本塁打を放ち同点に追いつく!第44号は球団日本人最多記録達成の1本となった。


同点に追いついてもらった平野だったが3回表、先頭の中村にセンター前安打、盗塁を許すと、フェルナンデスにレフト越え2ランを浴び点差を広げられる。平野はここで降板。さすがに大一番での先発はプレッシャーが大きすぎたかもしれない。しかし、懸命に投げようという姿勢は伝わってくる投球だった。

平野に代わり、ロングリリーフを任された大沼が今季一番の投球を見せた。実は21日に父を亡くした大沼。福岡の帰りに実家に寄り、渡辺監督は「そのままお父さんのところにいてあげてもいい」と話したが、大沼の母は「息子の投げる姿をお父さんに見せてあげてほしい」と大沼をマウンドに送り出した。
優勝がかかった試合での登板という期待と、父へ捧げる投球。その2つが大沼を奮い立たせた。

3回平野から継いだ場面をあっさりと2人で仕留めると、4回は中島に四球を与えるも自らのけん制で刺し、次の嶋を空振り三振に仕留め3人で仕留める。

5回は150キロ近くのストレートと変化球を投げ分け3者凡退!!
6回はフェルナンデスを空振り三振、セギノールはストレートでサードフライに仕留める!山崎武には四球を与えるも、次の鉄平をストレートでショートフライに打ち取り無失点に抑えた。

1対3で迎えた7回裏、片岡が右中間への3塁打を放ち、センター・鉄平からセカンド・内村への送球が逸れる間に片岡は一気にホームへ!!
片岡らしく足で稼ぎ2対3と1点差に詰め寄った。

しかしその直後の8回表、代わった3番手・小野寺が内村にヘルメット直撃への死球を与えてしまい、まさかの1球退場に。代わった正津がセギノールにセンター越え本塁打を浴び2対5と3点差に広げられた。

それでも、今季何度も逆転勝利をしてきたライオンズは諦めてはいなかった。

8回裏、イーグルス・4番手のグウィンから石井義がレフト前安打を決め、レフト・中村のエラー間に2塁に進むと、佐藤の送りバントを1塁カバーのピッチャー・グウィンが捕球ミス。ノーアウト1,3塁のチャンスを得る。
すると、細川がきっちりとセンター犠飛を決め、3対5と1点を返した。

さらに代打・江藤が四球を選ぶと、続く片岡がセンター前安打を放ち、すぐさま今季50個目となる盗塁を決める!!

ここでピッチャーは有銘に交代。この間にLビジョンではオリックスの敗戦速報が流れ、一気に流れがライオンズに向いた。

3番・中島は敬遠となり、満塁のチャンスでここまでノーヒットの4番・後藤。「自分を信じた」と後藤が真ん中のストレートをおっつけた打球はライトフェンス直撃!!新人以来4番を任された後藤が走者一掃の最高の一打を放ち、7対5とライオンズは一気に逆転した。


しかし、優勝のプレッシャーはライオンズというチームに今季一番の試練を与えた。守護神グラマンがマウンドに上がったが、先頭の中島をショート内野安打、渡辺直にはライト前安打を浴び、ランナー1,2塁としてしまう。

代打・リックのサードゴロを中村がまさかのファンブル。満塁のピンチを背負ってしまった。
ここでグラマンは藤井に四球を与えてしまい押し出しで7対6と1点差に。続くフェルナンデスが振り抜いた打球ははそのままセンターバックスクリーンへ・・・。
優勝を意識しすぎたのか細かいミスも重なり、まさかの逆転満塁弾を浴びた。グラマンは涙目になりながら顔を覆い降板。そして9回裏は、あっさりと3者凡退に終わり、まさかの逆転負けを喫した。

優勝は明日以降に持ち越しとなった。オリックスの敗戦で優勝マジックは1。明日はエース・涌井がマウンドにあがる。優勝投手へ、そして地元・西武ドームでの優勝へ。

明日は絶対に今日与えられた試練を乗り越え、みんなで喜び合いたい。