試合戦評。

11月5日 日本シリーズ第4戦
巨人戦 西武ドーム

巨|000 000 000 0
西|100 202 00X 5

巨|H:4 E:0
西|H:7 E:0

1勝2敗で迎えた日本シリーズ第4戦。

ライオンズ先発は岸。初回からストレートはうなりをあげ、4番・ラミレスから空振り三振を奪うなど無失点に抑える。

2回は、李承ヨプを変化球で空振り三振にすると、続く阿部からも内角低めのカーブで空振り三振を奪い、3者凡退!ストレートの伸びが良かっただけに、キレのある変化球が有効になった。

3回は8番・坂本の右中間への当たりをライト・佐藤が守備範囲の広さを見せ捕球すると、続く鶴岡をど真ん中のストレートで空振り三振!日本シリーズで活躍を見せる鈴木尚の一二塁間への当たりは片岡がうまく捌き2イニングス連続の3者凡退に仕留めた。

岸は5回も3度目の3者凡退に仕留めるなど、5回までを脇谷の内野安打1本に抑える完璧な投球を見せた。

一方ジャイアンツ先発は、交流戦でも打ち崩したグライシンガー。中島が試合前から「相手が意識しすぎるだろうから、こっちは自分たちのペースに持ち込みやすい」と話したように初回からグライシンガーの投球のリズムを崩した。

初回、片岡が初球ストレートをライト前に運ぶと、2度のけん制にも臆することなく盗塁に成功。得点圏にランナーを進め、2番・栗山が「つなげばいいという気持ちで振っていった」と一塁線いっぱいに引っ張る適時二塁打!このシリーズ初の先制点をあげた。

4回には、中島が死球を受けあわや乱闘騒ぎになるかという睨み合いがあったが、その不穏な空気をかき消すかのように中村が初球内角ストレートをレフトスタンドにまっすぐ運ぶ滞空時間の長いアーチ!!
これまで内角攻めを苦にしてきた中村が内角ストレートをうまくさばき、2試合連続の2ランで2点を追加した。

岸の好投に応えるかのように6回にも追加点をあげる。3番・中島がショート内野安打で出塁すると、4番・中村が今度は狙っていた高めチェンジアップを振り抜きレフトスタンドへ!!日本シリーズ初のおかわり、2打席連続の第3号2ランで5対0と突き放した。

グライシンガーは味方キャッチャーとのリズムも合わず、ここで降板。呆然とした表情でベンチに下がった。

5点のリードをもらった岸はさらに磨きのかかった投球を見せる。
6回は代打・木村拓に今日初めてのクリーンヒットを浴びるも、後続を3人で押さえる。1番・鈴木尚の一塁線への当たりを片岡がうまく回りこんで捌くなど、守備と岸の息も今日はぴったりと合った。

7回には、外角低めのチェンジアップで李承ヨプを3打席連続の空振り三振!阿部にはレフト前安打を浴びるも、亀井をセカンドゴロに打ち取った。

5対0のまま、迎えた最終回のマウンドには岸。日本シリーズ初登板にして、緊張感をまったく感じさせず、堂々とマウンドに向かった岸は最終回でも勢いは衰えることなく3番・小笠原を真ん中低めのチェンジアップで空振り三振!これで毎回奪三振の2桁10奪三振目を奪った。

さらには4番・ラミレスを詰まらせてレフトフライ、5番・李承ヨプをボテボテのファーストゴロ。最後は岸自らベースカバーに入り、完封勝利を決めた。

日本シリーズ初登板での毎回奪三振、完封勝利は日本シリーズ史上初。「不思議と緊張しませんでした。」と試合後の表情も穏やかだった。

投打のかみ合った快勝でライオンズは日本シリーズを2勝2敗のタイとした。今日はジャイアンツの攻撃を投打ともに崩しただけに、とても大きい勝利だ。

明日は、青く染まるスタンドのファンを大きな味方とし、日本一への王手をかけたい。