試合戦評。

11月6日 日本シリーズ第5戦
巨人戦 西武ドーム

巨|010 000 402 7
西|101 000 001 3

巨|H:10 E:2
西|H:13 E:0

初戦と同じエース対決となった日本シリーズ第5戦。初戦と同じように涌井は初回から気合の入った投球を見せる。

初回は木村拓、小笠原を2者連続三振!初回を3者凡退と最高のスタートを切った。

涌井の投球に動かされたように、1回裏先頭の片岡がライト前安打、栗山がレフト前安打、3番・中島がライト前安打を3連打で満塁のチャンスを作った。続く4番・中村は空振り三振に倒れるも、5番・石井義のセカンドゴロの間に片岡が生還。立ち上がり制球の定まらない上原から2試合連続の先制点を奪った。

しかし、2回5番に座った阿部が初球真ん中高めのストレートを振り抜きセンターバックスクリーンへ。一発で同点に追いつかれる。

その直後の2回裏アクシデントが起こった。細川が一塁線へのセーフティバントを仕掛け1塁にスライディング。その際に右肩をついてしまい負傷。3回表の守りから急遽、銀仁朗がマスクを被ることになった。

それでも涌井・銀仁朗は3回ジャイアンツ打線を難なく3者凡退に仕留め、アクシデントの影響は感じさなかった。

すると3回裏、3番・中島がショート坂本のエラーで出塁!一気に2塁を陥れる。
5番・石井義は初球をライト前に運び、中島が生還。勝ち越し点をあげた。

しかし、ライオンズにはまたもアクシデントが発生した。4回裏、中島がスイングをした際に左わき腹を痛めてしまう。
5回表の守りに中島はつくことができず、ショートに片岡が回り、セカンドに平尾がついた。

しかし、涌井はその影響も大丈夫!とばかりに、5番阿部からの好打順を3者凡退に抑え勝ち投手の権利を得た。

さらには6回坂本を四球で出し3塁まで進めるも、後続を3人で打ち取る!特に2番・木村拓にフルカウントから投じたストレートは内角高めいっぱいにズバッと決まり、涌井自身もグラブをポンッと叩いた。

ライオンズは6回まで毎回の2桁10安打を放つ。
しかし、2度のランナー3塁の好機に追加点をあげることができず、1点差ゲームを展開していた。

すると7回それまで2安打に沈黙していたジャイアンツ打線が突如爆発。ラミレスのピッチャー返しの当たりが二塁ベースに当たり変化するというアンラッキーな二塁打を許すと、8番・坂本まで5連打。涌井にとっては魔の7回となり一挙4失点を喫した。

涌井はここで降板。6回までの好投も報われず無念の降板となった。

9回にはさらに2点を追加され、7対2で最終回の攻撃を迎えた。9回裏、ジャイアンツの守護神・クルーンから中島に代わり3番に座った平尾がレフト越えのソロ本塁打を放つ。

しかし、意地を見せられたのもここまで。2桁13安打を放ちながらも12残塁で追加点を奪えなかったことが、今日の敗戦につながった。

細川、中島という主軸2人を欠くアクシデントの中、対戦成績は2勝3敗と日本シリーズ王手をかけられてしまった。

しかし、試合後に渡辺監督と大久保コーチが選手たちを集め、逆王手、さらに日本一へとチームの士気を高めた。

敵地・東京ドームに乗り込んでの2連戦となるが、"真に強いのは僕らだ!"ということをライオンズナインは証明してくれるだろう。