試合戦評。

10月7日 北海道日本ハム戦 札幌ドーム
西|300 000 000 3
日|104 300 00X 8
西|H:9 E:1
日|H:13 E:0

昨日は目の前でファイターズの胴上げを見届けることとなったライオンズ。この悔しさを胸に刻み、今日の今季最終戦を白星で終えて来季へ繋がる試合を見せたいところです。今季最後となる先発のマウンドには、自身プロ入り初勝利を目指す木村が上がりました。

木村に悲願の初白星をプレゼントすべく、打線が初回から奮起を見せます。ファイターズ先発・藤井に対し、先頭・片岡の二塁打と2番・大崎の犠打で1死3塁とすると、3番・中島が中前に落とす適時打を放ち、1点を先制。さらに続く4番・中村が放った当たりは右翼席へ飛び込む今季第48号2点本塁打となり、3対0とリードを奪います。

しかし、今日の木村はリズムに乗れません。直後の1回裏、2死1塁からボッツに右中間への適時二塁打を許し、3対1とされると、3回には稲田、飯山、大野と3本の適時打を浴び、3対4と逆転を許してしまいます。さらに木村の後を受けて地元・北海道でのプロ初登板となった2年目・武隈も1死1,3塁から田中賢に犠飛を許し、3対5とされます。

さらに武隈は4回にも森本、大野に適時打を許すと、田中賢には押し出しの四球を与えてしまい、3対8。点差を5点に広げてしまいますが、5回、6回には直球と変化球の緩急を生かした投球でいずれも3者凡退に封じ、試合の流れを整えます。

一方、反撃を見せたい打線は2回以降立ち直った藤井の前に毎回のように走者を出すも、連打を生み出せず。8回にようやく2死から大崎、中島の連打と中村への四球で満塁のチャンスを作りますが、ここも後続が打ち取られてしまいます。

最終回も勝利への執念を見せましたが、2番手・多田野の前に打者3人で封じられてしまい、3対8のまま試合終了。今季最終戦で有終の美を飾ることは出来ませんでした。

プロ初勝利を目指した木村は時に150キロを記録する力ある直球を見せるも、今季4敗目。また第1打席後「あと2本狙いたいと思います」と大台50本塁打を目指した中村も第2打席以降は一発が出ず、48本塁打で今季を終えました。

これでファイターズ戦は12勝12敗、そしてシーズンも70勝70敗4分。ともに勝率5割の成績で、ライオンズは2009年の戦いに幕を下ろしました。

今季は開幕直後に守護神・グラマンが戦線を離脱。柱を失った救援陣はそれぞれが奮起を見せたものの結果は伴いませんでしたが、それでも涌井、岸といった先発陣がチームをけん引。どの投手も確かな結果を残し、成長の跡を見せてくれました。

打撃陣はそれぞれが強い気持ちを持って役割を全う。片岡は自己最多の51盗塁を決め、チームで唯一144試合フル出場を果たした中島も自己最多の173安打、92打点を記録。中村も一時ケガで離脱を余儀なくされましたが、それでも自己最多の48本塁打、そして日本人打者としては球団史上トップの122打点を叩き出しました。また自己最多112試合に出場した銀仁朗も、ケガで戦線を離れた細川の穴を埋め、扇の要としてチームを支えました。

連覇という偉業は成し遂げられませんでしたが、4位という結果をしっかりと受け止め、糧としていかなければなりません。秋季キャンプ、春季キャンプと経て選手達はそれぞれが持てる力をさらに向上させ、来年はさらに一回りたくましくなった姿を見せて活躍をしてくれるはずです。新たな黄金時代へ突入するための「産みの苦しみ」をくぐり抜け、来年以降は何者も寄せ付けない、真の強さを発揮して王座奪還を果たしましょう!