試合戦評。

11月16日 アジアシリーズ決勝
統一戦 東京ドーム

統一|000 000 000 0
西武|000 000 001X 1

統一|H:5 E:0
西武|H:6 E:1

渡辺監督が今季4度目、今季最多となる12回宙に舞った。埼玉西武ライオンズはチーム初のアジア制覇、日本としては4年連続のアジアシリーズ優勝を決め、リーグ優勝、クライマックスシリーズ優勝、日本シリーズ優勝、アジアシリーズ優勝と今シーズンの完全制覇を成し遂げた。

渡辺監督にとっては選手・コーチとして活躍したチャイニーズタイペイとの対戦となった今シリーズ決勝。有終の美に相応しく、試合は息をのむ接戦となった。

今季最終戦のマウンドにあがったのはエース・涌井。決勝戦に満を持しての登板となったが初回から先頭の潘武雄にレフト前安打を浴びると、盗塁を決められピンチを背負う。しかし後続は3人で打ち取り無失点に抑えた。

3回表には9番・許峰賓にライト右への二塁打を許すと、1番・潘武雄には四球を与え無死1、2塁。
しかし、2番、3番からフォークで2者連続三振を奪うと、4番・高國慶は詰まらせライトフライに。3イニングス毎回安打も切り抜けた。

その裏、2アウトから打者2巡目となった1番・片岡が右中間への二塁打を放ち、西武は初めて得点圏にランナーを進める。
しかし、2番・栗山がショートフライに倒れこのチャンスを生かせなかった。


立ち直りを見せてきた涌井は4回、6番・劉芙豪を外角低めいっぱいのストレートで見逃し三振に仕留めるなど、この試合初めて3者凡退に打ち取る。
5回表は8番、9番を変化球で2者連続三振にすると、1番・潘武雄には四球を与えるも2番・郭岱チィをフォークで3打席連続空振り三振!!
キレのある変化球が走り、統一打線に流れを与えなかった。

6回表も無失点に抑えた涌井は、7回2アウトを取り1番・潘武雄を迎えたところで降板。6回2/3を投げ、被安打4、10奪三振、無失点とエースとしての役割をしっかりと果たした。

2番手の星野は、左の1番・潘武雄をスライダーで空振り三振!!監督のワンポイント起用に応えた。

するとその裏、西武は6番・佐藤がレフト左への二塁打でこの試合3度目のチャンスを作る。しかし、7番・大島はフルカウントから空振り三振。代打・原はキャッチャーゴロに倒れ、両チーム終盤までスコアボードには0が並んだ。

8回表は3番手・大沼が登板。2番・代打の郭俊佑は空振り三振に仕留めるも、3番・布雷に四球、4番・高國慶にはセンター前安打を浴びる。さらには自らの暴投でランナーは2、3塁とし、この試合初めて3塁にランナーを進める。
しかし、小野コーチから声をかけられた大沼はこのピンチを自らの手で封じる2者連続空振り三振!今日最大のピンチを乗り切った。

9回表は日本一のビールかけの際に「アジア制覇!」と宣言していた岡本真が4番手として登板。下位打線ながらも、たった9球で3者凡退に打ち取り、最終回サヨナラ勝利への流れを導く!!

最終回、統一のマウンドにはエース・潘威倫。そして西武は3番からと最終回らしいフィナーレを迎えた。
そのエースの前に3番・平尾、4番・中村は打ち取られ2アウトとなるも5番・石井義がフルカウントから四球を選び出塁。
そして7番・佐藤が2−1から真ん中低めのストレートを弾き返した打球は左中間へ!!
ランナー・石井義は3塁ストップかと思われたが、果敢にホームを攻めホームスライディングセーフ!!!!!

劇的なサヨナラ勝ちで今季160試合目となる最終戦を見事勝利!!勝利打点をあげた佐藤は今シリーズのMVPに輝き、岡本真は宣言通りの優勝投手になった。

アジアシリーズ優勝を決めた西武は再びマウンド上で人差し指を大きく掲げNo.1!!を歓喜!渡辺監督を今季4度目の胴上げし、最高の形で締めくくった!

今季盗塁王最多安打の片岡は大会前に話した。「これから再び黄金時代を築いていきます。」
この先ライオンズは今以上に固い絆で結ばれた強いチームへとファンと成長する。常勝・埼玉西武ライオンズ栄光の歴史を一緒に築いていこう!